聞こえと補聴器について 実は多くの方が誤解をされていることですが、加齢性難聴(中耳炎などの伝音性難聴を除く)の多くのケースでは、残念ながら補聴器を買ってすぐ聴こえの悩みが解消するということはありません。非常に多くの方々がこの誤解によって大きな不利益を被っておられます。「補聴器を買ったが雑音ばかり拾って、肝心な会話が聞こえない」という声を耳にした事はありませんか?これは一体どういう事なのでしょうか、、? 01.聴こえに起こる変化 最近聞き返しが多い」「TVの音量が大きいと言われる」「気付かずにトンチンカンな返事をしてしまってる」・・・このような状況から「耳が悪くなった」から補聴器をつけようと購入される流れが一般的です。 実はこの聴こえが悪くなった = 耳が悪くなった と解釈するところに大きな落とし穴があるのです。 正しくは・・・ だからです。 このように、聴こえとは全く役割の異なった 2つの器官(耳・脳)の働きに司られています。 02.脳機能低下による影響 一般的な加齢性難聴では、聴力の低下に伴い、音声を認識、処理する脳の機能低下が起こります。騒々しい場所で聞きにくくなったり、早口についていけなくなるのがそうです。耳が良かった時には無意識のうちに処理していた日常生活音も、軽度難聴になって以降は聴こえていない事が多く、脳はそのような日々の処理をしなくなっていきます。せっかく補聴器を買っても、雑音が邪魔になって聴きにくいと感じるのは脳がうまく対応できていないからなのです。 03.まとめ 聴こえは耳と脳の協働作業であり、補聴器は「耳の聴力低下を補正する器具」に過ぎません。よりよい聴こえのためには補聴後のリハビリトレーニングが不可欠となります。当Reグループでは、補聴後の多様なReオリジナル補聴トレーニング®を開発し、補聴後の皆様の聴こえのケアサポートに力を入れております。 「聴こえ」は補聴器を買うだけでは解決しません。購入した補聴器を適切にフィッティング(調整)し、繰り返し日常的にトレーニングを行うことで「聴く力」を維持し、耳鼻科医補聴器技能者など専門家のアドバイスを取り入れながら、ご自身で自分の聞こえをマネージ(管理)していくという考え方が必要です。